1994 年 41 巻 2 号 p. 219-221
三重県田切川 (員弁川水系) において5月下旬から7月初旬にかけて巨櫟下で観察されたアカザの卵塊は, 全4例とも性的二型の現われた雄1個体と共に見つかり, 雄親による卵保護が示唆された.卵径 (卵膜を除く) は3.6-4, 1mmであった.1990年5月28日に採集された1例では, 標準体長89.5mmの雄が182粒の卵に伴っていた.岐阜県川浦川 (長良川水系) 産の標本 (64.2-86.3mm SL) の孕卵数は70-100粒であった.雄が複数雌の卵を保護する可能性が示唆された.