魚類学雑誌
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キチヌ稚魚の形態その他に就いで
笠原 正五郎
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1957 年 6 巻 1-2 号 p. 20-25

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抄録

1. キチヌの稚魚期 (B.L.10.7~25.3mm) に於ける成長に伴う体形, 斑紋等の変化を観察し, 体高に対する体長の割合の減少, 及び横縞の増加について記載した。
2. キチヌ稚魚を養殖種苗とする観点から次の如き基礎資料を求めた。
(1) 低塩分水に対する抵抗性については, 塩分量Cl4‰以上の場合は特にその為の影響が認められず, 死亡個体が見られなかつた。
(2) ニホンアミを餌料とした場合, その日間摂餌率は20℃に於て, 約21%であり, 低水温になるに従つて減少 (15, 10℃に於て夫々約半減) し, 5℃及びそれ以下に於ては餌料を摂らなかつた。而して2℃前後に於て横転 (寒冷麻痺) するようになつた。

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