1957 年 6 巻 4-6 号 p. 170-176
1.この研究により, ドジョウの脳下垂体が同種ドジョウの放卵促進に極めて良好な効果を現わすものである事を明にした。
2.放卵に使用した雌ドジョウ中, 腹部が充分に膨出し, 而も軟かく, 胸鰭及び排泄孔の周囲に赤味を有するものが熟卵を得るために最も適当していた。
3. 1個体のドジョウに注入される脳下垂体の量は3個より4個が適当であり, 注射後28℃より30℃迄の水温中で飼育された場合, 良好な放卵成績を収めたものは, 13-14時間後に放卵せしめたもの達であつた。
4.外観より, 必ずしも放卵に使用する事が適当と思われない様なドジョウも2回の脳下垂体注射により熟卵を放出せしめる事が出来た。然し, これらの卵は発生中に奇型を生ずるものが多く孵化率も極めて悪かつた。