魚類学雑誌
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フクドジョウの卵発生に就て
小林 弘森山 雪洲
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1957 年 6 巻 4-6 号 p. 177-183

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抄録

1.旭川地方に於けるフクドジョウの産卵は4月中旬より5月下旬迄の間に行われ, 産卵場所としては, 大川よりもむしろ下水溝や灌漑溝を選び, 放卵は日没後に行われる様であつた。
2.卵の発生は人工授精をした卵により観察し, 卵の発生経過時の水温は13°-15℃であつた。卵の直径は1.26mmで卵は沈性附着卵であり, 発生は盤割で, マドジョウと殆んど同様な経過を取り, 約168時間で孵化した。
3.稚魚は孵化直後4.0mmの体長を有し, 筋節数は23+16=39であつた。孵化後日数を経過するも, マドジョウの如き外鰓を有さず, 黒色々素の出現は孵化後3日で, 卵黄の完全に吸収されるのは孵化後7日を過ぎた稚魚で, この頃より餌料を摂取し始めた。

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