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耳鼻咽喉科免疫アレルギー
Vol. 29 (2011) No. 4 P 233-239

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http://doi.org/10.5648/jjiao.29.233

総説

プロスタグランジン(PGs)はアラキドン酸からシクロキシゲナーゼ(COX)を律速酵素として産生される生理活性物質である。各種PGのうちPGE2は癌組織で過剰産生されており,その産生過程であるCOX,PGE合成酵素(PGES)が注目されている。今回,頭頸部扁平上皮癌組織を用いて,COX,PGES,PGE受容体の検討を行った。癌細胞のCOX-2は扁平上皮癌細胞質に発現が見られたが,また間質に浸潤した炎症細胞や,線維芽細胞にも発現が見られた。高分化扁平上皮癌と低分化扁平上皮癌を比較したとき,低分化扁平上皮癌で癌細胞におけるCOX-2陽性細胞の割合が少なかった。さらに,発現の分布をみると細胞質内の核膜近傍に強い発現が見られた。mPGESについてもCOX-2と同様な傾向がみられ,しかもCOX2とmPGES-1の局在はともに,細胞質内の核膜近傍に一致して発現していた。RT-PCRを用いた検討では,COX,mPGES-1ともに高分化扁平上皮癌では有意に高い値を示した。またCOX-2ではN0で有意に高い値を示した。PGE2には4種類の受容体があるとされ,その4種類について免疫組織学的に検討した。癌細胞にはすべてのPGE受容体の発現が認められた。癌予防薬について,最近報告されたCOX-2阻害薬の心血管系の有害事象を考えれば,その下流であるmPGES-1選択的阻害薬あるいはPGE受容体阻害薬に期待が集まる。

Copyright © 2011 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会

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