産業動物臨床医学雑誌
Online ISSN : 2187-2805
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原著
乾乳期乳牛への大腸菌ワクチン投与による周産期免疫機能の賦活化
岡田 啓司小松 司佐藤 雅彦丹羽 友一郎青木 美樹子佐藤 繁安田 準
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2012 年 3 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

大腸菌ワクチン接種が末梢血および初乳に及ぼす免疫賦活効果を検証するため,ホルスタイン種乳牛に大腸菌ワクチンを投与し,末梢血液中と初乳中のリンパ球サブセット,血清と乳清の抗体濃度を測定した.乾乳期のホルスタイン種経産牛11頭を,大腸菌ワクチン3回投与群(4頭),1回投与群(4頭),非投与群(3頭)に分けて供試した.採血は分娩予定6週前,4週前,2週前の各投与前,および分娩後3日,1週,2週,3週の7回,初乳は分娩日の初回搾り乳を採取して分析した.その結果,末梢血CD4+T細胞数は,分娩後3日に3回投与群(1,643±316個/mℓ)が1回投与群(933±339個/mℓ)よりも高値(p<0.05)を示した.また分娩後3週に3回投与群(1,250±230個/mℓ)は非投与群(778±29個/mℓ)よりも高値(p<0.05)を示した.CD8+T細胞数は,分娩前4週から分娩後3日にかけて3回投与群が他の2群よりも高値で推移した.γ/δT細胞数は,分娩後2週に3回投与群(303±100個/mℓ)が1回投与群(573±145個/mℓ)よりも低値(p<0.05)を示した.血清IgG1は,分娩後1週に1回投与群(7.4±1.6mg/mℓ)が非投与群(10.7±3.6mg/mℓ)よりも低値(p<0.05)を示した.初乳中IgA濃度は,1回投与群(11.4±1.6mg/mℓ)が非投与群(4.8±2.9mg/mℓ)よりも高値(p<0.05)を示し,3回投与群(10.1±3.3mg/mℓ)も非投与群に比べて高い傾向を示した.その他の項目は群間に差がなかった.

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© 2012 日本家畜臨床学会・大動物臨床研究会
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