法と心理
Online ISSN : 2424-1148
Print ISSN : 1346-8669
目撃証言を得るための新技法
目撃者遂行型調査(Self-Administered Interview©:SAI©)の紹介
松尾 加代三浦 大志
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 17 巻 1 号 p. 77-85

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抄録

目撃者遂行型調査は目撃情報を質問紙形式で得る手法である。警察捜査における目撃者への事情 聴取は重要であるが、面接の実施には時間と人員が必要となる。時間の経過とともに記憶の汚染や 忘却が起こることが懸念されるが、記憶の想起を促進する教示と質問項目が記載されている目撃者 遂行型調査を用いることによって、同時に複数の目撃者に対して迅速に事情聴取を行うことが可能 になる。また目撃直後に目撃者遂行型調査による記憶の想起を行うことで、記憶の固着を可能にす る。Gabbert, Hope, & Fisher(2009)によって英語で開発された目撃者遂行型調査は、その後さま ざまな言語に翻訳され、その効果が世界各国で検討されている。さらにイギリスのグレーターマン チェスター警察では、大事件・大事故における捜査現場ですでに活用されている。本稿では、目撃 者遂行型調査の紹介を行った後、その効果が検討された研究のレビューを行う。そして、目撃者遂 行型調査の活用法について考察を行う。

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© 2017 法と心理学会
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