法と心理
Online ISSN : 2424-1148
Print ISSN : 1346-8669
司法における「治療的な」関係とは
臨床心理の視点から見た治療的司法
毛利 真弓
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 18 巻 p. 29-33

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抄録

本稿では、「治療的司法・正義」を実践するために重要な要素の一つである、「治療的な関係性」に ついて、以下の 3 つの点から論じた。1専門家がパワーを乱用せず、また犯罪者もパワーを持って いることを自覚した「治療的矯正関係」を意識することが必要であること、2ノルウェーの実践から 学べるように、実践者と犯罪者が本当の意味で「対話」し、人間同士として出会うことの重要性、3 筆者が実施した日本の刑務所出所者へのインタビュー調査からは、受刑者が人として尊重されるこ とが肝要であることが理解できること、の 3 点である。治療的司法を実践するための法的整備等と 同時に、実践家が役割や一定のパワーを行使しつつも、犯罪者と「人と人として」出会う場と時間を どう作り維持するか、それをどう研修していくかも考慮すべきことであると考えた。

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© 2020 法と心理学会
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