法と心理
Online ISSN : 2424-1148
Print ISSN : 1346-8669
展望 : これからの犯罪心理学と法と心理学の交差点
<特集>犯罪心理学と法と心理学の交差点─これまでとこれからを考える
板山 昂 入山 茂
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 19 巻 1 号 p. 19-23

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抄録

本シンポジウムでは、第一線で活躍する犯罪心理学と法と心理学の研究者による話題提供と対談形式での議論を行った。犯罪心理学と法と心理学は、より適切かつ高度な犯罪捜査の推進、より良い刑事手続の実現、およびより良い社会の形成を目指しているという点で共通している。しかし、これまで犯罪心理学と法と心理学が交差する機会が設けられることは少なかった。議論を通じて、両学問が司法や犯罪に関わる問題について独立して検討、研究を進めてきた点に課題があったと考える。本稿では、犯罪心理学と法と心理学のこれからの接点のあり方について議論した。具体的には、犯罪心理学と法と心理学が現実に起こりうる司法もしくは犯罪に関わる問題を共同しながら検討し、解決策を導いていくようなシンポジウムやワークショップを定期的に開催していくことである。例えば、法と心理学会、日本心理学会や犯罪心理学会の年次大会でそのような試みがでないか検討した。また、犯罪心理学と法と心理学の若い世代の研究者が定期的に情報交換、共同研究や共同執筆を行うことができるような研究会を立ち上げることの有益性についても検討した。

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© 2019 法と心理学会
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