日本舌側矯正歯科学会会誌
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舌側矯正装置の特性を取り入れた診断
山片 重徳
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2012 年 2012 巻 23 号 p. 13-22

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抄録

 リンガルブラケットを用いた矯正治療のメリットとして、審美性の優位が最初にあげられる 1)。一方ラビアルブラケットと比較すると、術者にとっては操作性が困難なこと 2)、患者にとっては舌感の悪さなどがデメリットとしてあげられる 3)。特に、下顎にリンガルブラケットを用いる場合、舌房が狭くなるため、その傾向はより顕著となる。その為、患者からの要望で、上顎のみリンガルブラケットを装着し、下顎にはラビアルブラケットの装着(以下ハーフリンガルとする)を選択することもしばしばある。しかし、リンガルブラケットの力学的な特性を活かすことにより、症例によっては、下顎にもリンガルブラケットを用いる方が有効な治療が行える。
 今回、フルリンガルとハーフリンガルの比較をしながら、舌側矯正装置の特性を取り入れて診断を行った症例を紹介する。

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© 2012 日本舌側矯正歯科学会
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