日本舌側矯正歯科学会会誌
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リンガルセットアップにおけるオーバートルクについて
髙柳 譲司長谷川 尚哉
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2025 年 2025 巻 35 号 p. 12-17

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抄録
【目的】リンガル矯正において上顎前歯のトルクコントロールは容易ではなく,上顎前歯のトルクに影響を与える要素は多岐にわたる.そのため,セットアップにオーバートルクを加えるか否か,また,その設定値は術者の経験によることが多い.そこで,ブラケットの種類,上顎前歯のリトラクション量に着目し,上顎前歯のトルクへの影響に加えてセットアップへのオーバートルク設定値の妥当性を検討した. 【資料および方法】当院に来院し、上顎両側小臼歯抜歯にてリンガル矯正治療を行った60名(Vertical type .018×.018 square slot:30名,horizontal type .018×.025 rectangular slot:30名)を上顎前歯のリトラクション量(4.0 mm未満,4.0 mm以上8.0 mm未満,8.0 mm以上)に応じて分類し,治療前後の咬合平面に対する上顎中切歯の歯軸と、咬合平面からの垂線と治療前後の臨床的歯冠軸(FACC),セットアップFACCの角度をトルクと定義し検討した. 【結果および考察】全ての群でリトラクション量が大きい程,上顎前歯は口蓋側傾斜する傾向を示した.また,治療後のトルクとセットアップの差は,リトラクション量が4.0 mm以上の症例では,.018×.018 square slotと.018×.025 rectangular slot間に有意差を認めた(p < 0.01). 【結論】リンガルセットアップのオーバートルクは多くの要因に影響を受けるが,ブラケットの種類,リトラクション量を考慮して設定する必要がある.
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