音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
Print ISSN : 0030-2813
原著
日本語での音韻認識障害が認められない英語学習困難例
蔦森 英史宇野 彰春原 則子金子 真人粟屋 徳子狐塚 順子後藤 多可志片野 晶子
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50 巻 (2009) 3 号 p. 167-172

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抄録

発達性読み書き障害は複数の認知的要因が関与しているとの報告がある (Wolf, 2000;宇野, 2002;粟屋, 2003) . しかし, 読み, 書きの学習到達度にそれぞれの情報処理過程がどのように影響しているのかはまだ明確になっていない. 本研究では全般的な知能は正常 (VIQ110, PIQ94, FIQ103) だが漢字と英語の書字に困難を示した発達性書字障害例について報告する. 症例は12歳の右利き男児である. 要素的な認知機能検査においては, 日本語での音韻認識力に問題が認められず, 視覚的記憶力のみに低下を示した. 本症例の漢字書字困難は過去の報告例と同様に, 視覚性記憶障害に起因しているものと考えられた. 英語における書字困難の障害構造については, 音素認識力に関しては測定できなかったが, 日本語話者の英語読み書き学習過程および要素的な認知機能障害から視覚性記憶障害に起因する可能性が示唆された.

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© 2009 日本音声言語医学会
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