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音声言語医学
Vol. 50 (2009) No. 3 P 173-182

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http://doi.org/10.5112/jjlp.50.173

原著

幼児期の聴覚障害児には注意散漫で集中力に欠ける, 落ち着きがない等の注意欠陥・多動性障害 (ADHD) と似た行動特徴が見られることが多く, ADHDを合併していても, これらの行動特徴が聴覚障害に伴う二次的な問題と混同されて, 合併する障害が見落とされたり, 適切な対応がなされない場合がある. このような症例の発達経過についても明らかにされていない. 本研究では, ADHDが疑われた聴覚障害児 (ADHD疑い例) の3~6歳までの聴取・言語能力, 行動特徴等の発達経過を同年代の聴覚障害単独例と比較し, 発達上の問題点について検討した. その結果, 一定の指導経過後, 聴覚障害単独例では多動や不注意が消失したが, ADHD疑い例では多動が改善したものの, 不注意と衝動性は改善しにくかった. また, 聴覚障害単独例に比べ, 口型, 指文字, 文字といった視覚的手段の獲得が遅く, 語音聴取能や音声言語理解に伸び悩みが見られた.

Copyright © 2009 日本音声言語医学会

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