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音声言語医学
Vol. 50 (2009) No. 3 P 183-189

記事言語:

http://doi.org/10.5112/jjlp.50.183

原著

会話時に質問文を復唱的に用いて答える行動が特徴的な小児失語の1例について, SLTAやPVTなどを使い言語症状およびその改善経過を, MRI, 脳血流SPECTを使い責任病巣との関係を, 検討した. 症例は8歳右利きの男児, 3歳10ヵ月時脳炎により失語症が出現, 頭部SPECTにて左側頭葉に血流低下を認めた. 失語症発症後1年10ヵ月時, SLTAでは聴覚的理解力は低下していたが, 復唱力は良好であり, 両者の間に乖離を認めた. 発話は流暢で, 呼称にて喚語困難があり語性錯語が出現した. 以上より, 超皮質性感覚失語にあたると思われた. 発症後2年10ヵ月時では, 聴覚的理解力に改善が認められ, 呼称障害は持続し復唱が良好なことから, 健忘失語に移行してきていると思われた. 発症後1年10ヵ月時から1年間での言語症状の大きな変化は, 一般的に成人失語例では認められにくく, 反響言語についても, 健常児の言語発達過程に見られる復唱とは特徴が異なると考えられ, 本症例の特徴と思われた.

Copyright © 2009 日本音声言語医学会

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