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音声言語医学
Vol. 51 (2010) No. 2 P 187-189

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http://doi.org/10.5112/jjlp.51.187

特集<喉頭瘢痕性病変へのアプローチ>

声帯瘢痕・溝は声帯粘膜が硬く変性する疾患であり, 確立された治療法はない. 組織学的な変性が原因であり, I型コラーゲンの無秩序な過剰蓄積やヒアルロン酸の減少などが指摘されている. 本疾患の治療のためにはこれら組織変性にアプローチする必要がある. 今回, われわれは再生医工学の概念から, 瘢痕声帯の組織再生を試みた. 再生工学では再生のための適切な場を与えることが必要であり, 今回, 声帯粘膜に適切な再生土台となる移植材料としてアテロコラーゲンシートを用い, これを瘢痕声帯粘膜内に移植した. その結果, ストロボスコピー検査において多くの症例で声帯粘膜波動の改善, 声門閉鎖不全の減少が観察され, 声帯粘膜の物性改善が認められた. また, 音響学的検査, 空気力学的検査においても改善が確認された. ただし, その効果は個人差が大きく, 安定した成績を得るためにはさらなる改良が必要であろう.

Copyright © 2010 日本音声言語医学会

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