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音声言語医学
Vol. 51 (2010) No. 4 P 305-310

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http://doi.org/10.5112/jjlp.51.305

原著

学校教員は職業的に声を酷使する機会が多く,音声障害は大きな問題となっている.欧米では教員の音声障害に関する疫学調査が数多く報告されているが,本邦では散見されるのみである.そこで今回,小・中学校の教員を対象として音声障害の実態を明らかにするために,Voice Handicap Index(VHI)による音声障害の自覚度評価法を併用したアンケート調査を実施した.
アンケートは高知県下の小・中学校の教員を対象に実施し,468名(男性178名,女性264名,無回答26名)より回答が得られた.声のかすれを54.1%の教員が,のどの痛みや違和感を51.5%の教員が自覚していた.これらの症状は男性よりも女性に多い傾向があった.教員としての勤務歴との関係を見ると,声のかすれは勤務歴が11年以上の群のほうが10年以下の群よりも多く,部活動やクラブ活動を指導している教員に多い傾向があった.音声障害に対して耳鼻咽喉科医の診察や治療を受けたことのある教員は少なかった.
音声障害の自覚度をVHIで検討すると,スコアの平均は14.7点であったがばらつきが大きく,音声障害に対する意識が個人によって大きく異なるためと考えられた.また女性や勤務歴が長い教員ではスコアが高く,学校教員の音声障害に対する早期治療や予防対策の必要性が示された.

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