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音声言語医学
Vol. 51 (2010) No. 4 P 324-329

記事言語:

http://doi.org/10.5112/jjlp.51.324

原著

聴覚障害と知的障害を合併する2例の幼児に金沢方式による言語指導を行い,重複障害幼児の言語聴覚療法について若干の考察を行ったので報告した.症例1は1歳6ヵ月で難聴・脳性麻痺・重度精神遅滞・てんかんと診断された男児である.聴力レベルは85dB,3歳5ヵ月より金沢方式による指導を開始した.6歳3ヵ月時,受信でも発信でも最も多いものは文字単語であった.8歳8ヵ月,コミュニケーションブックによる発信行動ができている.症例2は1歳8ヵ月で難聴・中度の精神遅滞・筋緊張低下と診断された女児である.聴力レベルは70dB.2歳より金沢方式による指導を開始した.6歳9ヵ月時の受信は聴覚読話が主で,発信は音声発信が主であった.2例とも身体障害のために手指法には限界があったが,知的障害を伴っていても聴覚読話に加えて文字言語がコミュニケーション手段として有効に活用できたことから,中~重度の知的低下があっても文字単語の活用が可能であったことを示す例であった.

Copyright © 2010 日本音声言語医学会

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