音声言語医学
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披裂軟骨内転術と併用術式の発声機能評価
兒玉 成博讃岐 徹治東家 完湯本 英二
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52 巻 (2011) 2 号 p. 149-157

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抄録

片側声帯麻痺の嗄声に対する治療として, 披裂軟骨内転術 (以下, 内転術) はよく知られた術式であり, 一般的に他の術式と併用して行われることが多い. これまで併用術式の術後発声機能を経時的に検討した報告はない. 今回, 内転術を単独で行った症例 (内転群) , 内転術に甲状軟骨形成術I型 (以下, I型) を加えた症例 (内転+I型群) , 内転術に頸神経ワナ-反回神経吻合術 (以下, Ansa吻合術) を加えた症例 (内転+Ansa吻合群) について治療前後の発声機能を, 空気力学的検査, 音響分析, 声域を用いて検討した. 内転+I型群, 内転+Ansa吻合群でMPT, MFR, Jitter, HNRが正常域まで改善した. 内転+Ansa吻合群では, 術後1ヵ月以降持続的に有意な改善を認め, 術後12ヵ月で他の2群と比較し有意に声域が拡大していた. 症例に応じて内転術に加え, I型やAnsa吻合術を併用することで良好な音声が得られ, 特にAnsa吻合術を併用することで, 他の2群と比較して声域が広がり, より一層正常な音声に近づけることができると考えた.

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© 2011 日本音声言語医学会
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