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音声言語医学
Vol. 52 (2011) No. 4 P 307-312

記事言語:

http://doi.org/10.5112/jjlp.52.307

総説

聴性誘発電位は聴覚による言語理解の発達の評価に有用である.波形のピークは聴覚路の各段階で多くの神経細胞が同時に発火していることを反映する.単純な音への反応である聴性脳幹反応(ABR)であれば新生児からも記録することができ,髄鞘化が進行すると潜時は短縮する.言語音の処理過程を誘発電位に反映させるには,複数の刺激音への反応の差を見る事象関連電位(ERP)という手法が必要になる.言語の習得は,各言語に特有な音韻のセットを同定することから始まるが,音韻の違いに対する反応をMismatch Negativity(MMN)で検出すれば,この過程を裏づけられる.1歳までに母音の長短の違い,アクセントの違いといった母国語の特徴を判別できることをMMNが示している.さらに語の意味の弁別が必要となるN400は1歳半までに記録される.3歳前後になると文法からの逸脱を弁別していることが600ms付近の潜時に,4歳前に文レベルの意味の理解が可能であることが400-800msの潜時に表れる.

Copyright © 2011 日本音声言語医学会

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