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音声言語医学
Vol. 53 (2012) No. 2 p. 122-128

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http://doi.org/10.5112/jjlp.53.122

総説

音声障害の発症には発声の仕方が関与することはよく知られているが, 客観的に発声状態や発声法を定義する方法はまだない. 私はボイストレーナーや声楽指導者が従来行っている主観的で経験的な発声状態の評価法を参考に, 発声のメカニズムを考えながら客観的に評価可能な2種類のボイスマップを考案した. 第一は横軸に声の高さ, 縦軸に発声機能検査装置から測定した呼気流率を示したボイスマップE-Lである. このマップ内には, 4つの声帯振動パターンも表示することが可能である. 2番目は, 横軸に声道の形態, 縦軸にEGGも参考にした声門閉鎖性をとったボイスマップL-Vである. これらのボイスマップは, 呼気調節, 喉頭調節, 声道調節に分けて発声法を分析検討し, 視覚的に指導することが可能で, ボイストレーニングのみでなく音声治療でも応用可能である.
歌手の声帯ポリープや声帯結節の手術的治療法は通常全身麻酔下でのマイクロラリンゴサージェリーである. 最近, 局所麻酔下での日帰り喉頭手術が行われているが, 比較的大きな先端を持つ喉頭鉗子で行われるので精密な切除は難しい. 私は, 処置用ファイバースコープで応用可能な声帯メスを施策し応用している. 病変の摘出前に病変の声門上側と声門下側に開発したメスで切開線を入れるため正確な切除が可能となり, 歌手の声帯手術に応用している.

Copyright © 2012 日本音声言語医学会

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