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音声言語医学
Vol. 53 (2012) No. 3 p. 183-186

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http://doi.org/10.5112/jjlp.53.183

総説

蝸牛神経から大脳聴覚野にいたる中枢聴覚伝導路は聴覚情報処理に重要な役割を果たしており,その障害によって語音弁別能の低下,聴覚失認などさまざまな症状を呈する.しかしその構造は視覚や体性感覚などと比較して非常に複雑であり,生体においてその解明を行うことは困難であった.
拡散MRI軸索画像は,従来困難であった聴覚伝導路の評価を,非侵襲的に行うことができる方法である.脳梗塞の超急性期診断に用いられる拡散強調画像と同じ原理により,神経細胞の軸索における軸索流などの微小な動きをとらえ,通常のMRIでは区別できない神経の走行を画像化する.
われわれは本手法を用いて,正常聴覚伝導路の構造を描出することに成功した.また中枢性聴覚障害の詳細な部位特定も可能となった.さらに拡散係数の測定,拡散テンソル解析など神経機能の定量化も今後期待される.本手法は高次聴覚機能研究の発展にとって有用な技術であると考える.

Copyright © 2012 日本音声言語医学会

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