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音声言語医学
Vol. 53 (2012) No. 3 p. 194-198

記事言語:

http://doi.org/10.5112/jjlp.53.194

原著

日本語を母語とする特異的言語発達障害(SLI)児の言語知識の特徴については不明な点が多い.本研究では,SLI児2例(A児とB児)の自然発話における格助詞の誤用の特徴について構造格と内在格の視点から検討した.その結果,A児,B児ともに,構造格の格助詞の位置で生じる誤用のほうが内在格の格助詞の位置で生じる誤用よりも有意に多かった.この点は従来の聴覚障害児を対象とした研究の結果と一致していた.しかし,構造格の格助詞の位置に生じる誤りにおいては,両児とも,他の構造格の格助詞に置換する誤りと内在格の格助詞に置換する誤りに差が見られなかった.この結果は,構造格の格助詞の位置に内在格の格助詞が挿入される誤りがほとんどなかったという聴覚障害児を対象とした研究の結果と異なっていた.本研究の結果から,SLI児では,聴覚障害児ほど,構造格と内在格の違いに関する知識が十分には獲得されていないことが示唆された.

Copyright © 2012 日本音声言語医学会

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