音声言語医学
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頭部打撲を契機に発症した混合性喉頭麻痺の1例
小泉 めぐみ北原 伸郎鈴木 康司
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53 巻 (2012) 3 号 p. 208-211

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抄録

混合性喉頭麻痺は,喉頭麻痺に他の脳神経麻痺を合併したものと定義されている.
今回われわれは,頭部打撲を契機に混合性喉頭麻痺を発症したが明らかな頭蓋底骨折等を認めず,原因特定に難渋した1例を経験したので報告する.
症例は72歳女性である.転倒し,顔面を打撲した直後から嗄声,嚥下困難,鼻咽腔逆流が出現した.両眼瞼周囲に擦過傷と皮下出血斑があり,左軟口蓋麻痺,左咽頭の知覚低下,左喉頭麻痺を認めた.画像検査,髄液検査,血液生化学検査で有意な所見はなかった.ステロイドを投与したが著効せず,誤嚥が続くため胃瘻を造設した.発症から約3ヵ月で軟口蓋麻痺は改善し,3~4ヵ月で経口摂取が可能となった.
本症例は頭部打撲を契機に発症したため,頭蓋底骨折を疑ったが,画像検査で異常はなかった.このため神経内科と種々の検査も施行したが,原因は特定できなかった.比較的軽微な頭部打撲によっても混合性喉頭麻痺をきたしうると考えた.

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© 2012 日本音声言語医学会
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