音声言語医学
原著
典型発達児の呼称課題における語彙の発達
─誤りの分析から見る語意味とその構造─
小坂 美鶴
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53 巻 (2012) 3 号 p. 212-218

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抄録

3歳1ヵ月~6歳1ヵ月の典型発達児117名を生活年齢別に6群に分類し,40語の絵カード呼称課題における語彙の誤りを分析し,語彙獲得の経過を語形態と意味的側面から横断的に検討した.語彙の誤りの種類は意味的関係,機能的要素,無関連語の3項目とした.さらにそれぞれを下位分類した.40語の正答数は生活年齢との相関が認められ,生活年齢が高いほど有意に高く,4歳後半以降は産出語彙数の量的安定が認められた.3歳前半群の誤りは無関連が最も多く,次いで上位語,等位語といった意味的関係が多かった.3歳後半群では無関連が減少し,意味的関係の誤りが多かった.全体的な誤り数は徐々に減少したが,意味的関係,機能的要素の誤りは5歳後半群にも見られた.4歳後半以降は幼児語や擬音語の減少も急激に見られ,知覚的属性から脱却し,質量ともに語彙獲得の転換期と考えられた.本研究の結果から語彙獲得が年齢とともに概念化され,語形態が成人語として増加していく過程が明らかとなった.

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© 2012 日本音声言語医学会
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