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音声言語医学
Vol. 53 (2012) No. 4 p. 265-275

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http://doi.org/10.5112/jjlp.53.265

総説

小鳥の歌学習は人の言語発達と同様,期間の限られた(臨界期)音声の後天学習である.その歌学習は,幼鳥時に父の歌(template)を聴き覚える感覚学習期(sensory phase),自分の声を聴いて練習する感覚運動学習期(sensorimotor phase)の2段階でなされ,成鳥後は学習しないとされてきた(結晶化).この臨界期の機構を解明するために,templateのない環境(第1段階の阻害)と聴覚マスキング法(第2段階の阻害)により2段階の学習を操作し,歌を長期的に詳細に解析した.さらに,成鳥後にtemplateの歌を再聴させ,その後の変化も調べた.
結果,成鳥の学習が困難なのは新しい記憶獲得が難しいためで,記憶保持や感覚運動学習はでき,歌の結晶化後もtemplateの音素に再調律する可塑性は保たれ,この可塑性は配列にはないことがわかった.また,この記憶獲得の臨界期は,templateの獲得や歌の結晶化で終結せず,日齢に起因したものと考えられた.以上より,音素と配列は学習機構も臨界期も異なることが示された.

Copyright © 2012 日本音声言語医学会

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