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音声言語医学
Vol. 53 (2012) No. 4 p. 288-293

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http://doi.org/10.5112/jjlp.53.288

原著

われわれは,声門閉鎖不全疾患に対するリハビリテーション手術として,自家脂肪を用いた声帯内自家脂肪注入術を行っている.声帯内自家脂肪注入術の長所は適応範囲が広いことと,異物反応や感染症がないという安全性だが,術後の吸収により手術効果が減弱する例があることが問題点として未解決であった.
東海大学医学部付属病院群で,2003年8月から2011年4月までの8年間に行った声帯内自家脂肪注入術症例99例について術後経過を検討した.また,注入後の脂肪組織の減量を改善する方法として,脂肪組織に自己の多血小板血漿(PRP:platelet-rich-plasma)を添加して注入する実験結果を示した.
すべての症例で発声持続時間が延長し症状が改善していた.特に,2003年当初は,腹部の脂肪組織を用い,2005年からは頬部脂肪体を用いてきたので,注入する脂肪組織の違いについても検討した.両者には明らかな有意差は認められなかった.動物実験においてPRP添加により注入後の移植脂肪組織に,増殖傾向が惹起され,萎縮傾向が軽減される可能性が推察された.

Copyright © 2012 日本音声言語医学会

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