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音声言語医学
Vol. 54 (2013) No. 2 p. 136-144

記事言語:

http://doi.org/10.5112/jjlp.54.136

症例

聴覚障害児の言語力については,語彙や構文獲得の遅れが指摘されている.われわれは,この問題解決のためには,手話が有効であると考え,1歳前から聴覚口話法に加えて手話を導入した.本研究では重度聴覚障害幼児1例を対象に,2歳3ヵ月までの手話による文の指導を後方視的に検討した.特に文の発達支援のために,親による子どもの行動発達記録と,助詞抜け文の記録を用いて分析した.(1) 1歳6ヵ月で手話による助詞抜け2語連鎖が出現して以降,親に対し,10種類の助詞を含むさまざまな文での話しかけを指導できた.(2) 親による子どもの行動発達記録を用いて,2歳3ヵ月までに14種類の助詞を含むさまざまな文での話しかけを指導できた.(3) 本例は,2歳2ヵ月から2歳3ヵ月までに11種類の助詞入り文を表出した.表出された助詞のなかの8種類が格助詞であった.(4) 親による子どもの文や行動発達記録を基に,幼児期でも適切な助詞入り文での話しかけができる可能性を示した.

Copyright © 2013 日本音声言語医学会

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