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音声言語医学
Vol. 55 (2014) No. 1 p. 17-25

記事言語:

http://doi.org/10.5112/jjlp.55.17

原著

本研究では,音声言語コミュニケーションを用いる,平均聴力レベル75.7 dB(46.2~110 dB,1 SD 22.7)の聴覚障害幼児・児童12名(生活年齢4~7歳)の心の理論(Theory of Mind:ToM)の2領域課題の発達経緯を生活年齢4~5歳の聴力正常児12名と比較して検討した.結果,ToMの2領域課題のうち,他者の行為意図理解の発達は,おおむね4~5歳の聴児の発達に相当していた.一方,聴覚障害児は,他者の信念理解に著しく遅滞する傾向にあり,他者の視点に立ち他者の表象を思い浮かべるメタ表象能力に困難を示した.聴覚障害児がメタ表象能力を獲得するには,聴児に比して高水準の言語発達段階を要した.メタ表象能力の形成には,平均聴力レベルの他,言語発達年齢,統語的に適切な構文産出が関与しており,補聴閾値や,MLUm発達等の要因との関連性は低かった.本研究のメタ表象能力の発達と,関連する要因のデータは,基礎資料として有用と考えられた.

Copyright © 2014 日本音声言語医学会

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