2014 年 55 巻 4 号 p. 284-290
【目的】日本音声言語医学会推奨版VHIおよびV-RQOLを用いて声に関する問題をもつ患者の状態を評価することの有用性を検証すること.
【方法】音声情報委員会委員が所属する全国8施設の音声障害患者173名からなる音声障害群と健常者105名からなる健常群の両群に日本音声言語医学会推奨版VHIおよびV-RQOLとそれぞれの質問紙記入に関してのアンケート調査を前向き観察研究として実施した.
【結果】アンケート調査の結果,両群ともにVHI,V-RQOLの内容の適切性およびわかりやすさについてはおおむね良好な反応であった.ただし,VHIの質問項目数についてはやや多すぎるという回答が認められた.
【結語】日本音声言語医学会推奨版VHIならびにV-RQOLは声に関する問題をもつ患者を対象としたアンケート調査結果から,その自覚的評価における有用性が示された.