J-STAGE トップ  >  資料トップ  > 書誌事項

音声言語医学
Vol. 55 (2014) No. 4 p. 333-337

記事言語:

http://doi.org/10.5112/jjlp.55.333

原著

思春期以降の音声言語外来において「声がつまる」「電話で最初の言葉がうまく言えない」という吃音らしい訴えは,吃音症だけに見られるものではない.成人で吃音と鑑別すべき疾患として,過緊張性発声障害や内転型痙攣性発声障害が挙げられる.本研究の目的は,吃音症と発声障害を問診上で鑑別する手掛かりを探すことである.2011年3月から2013年5月まで吃音らしい訴えで九州大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科に来院した患者のうち,病歴・音声・喉頭内視鏡所見で10歳以上の吃音症と診断した46名(平均25.2歳,男女比=3.6:1)(吃音群)と,過緊張性発声障害,内転型痙攣性発声障害の診断にて,問診表を取得できた成人12名(平均39.2歳,男女比=1:3)(発声障害群)との問診上の特徴を比較した.その結果,「声がつまるなど吃音らしい訴えに気づいた年齢」が吃音群で平均8歳,発声障害群は平均34歳と吃音群で有意に低年齢だった.また,吃音群は「言葉がつっかえることを他人に知られたくない」「予期不安がある」「苦手な言葉を置き換える」「独り言ではすらすらしゃべれる」「歌ではつっかえない」「からかい・いじめを受けた」「話し方のアドバイスを受けた」「つっかえるのでできないことがある」などの項目が,発声障害群より有意に多かった.吃音様の訴えでも発声障害と診断されることもあり,音声・喉頭内視鏡だけではなく,詳しい問診をすることが,吃音症と発声障害の鑑別に有効である.

Copyright © 2014 日本音声言語医学会

記事ツール

この記事を共有