音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
Print ISSN : 0030-2813
原著
日本語版Overall Assessment of the Speaker's Experience ofStuttering for Adults(OASES-A)の標準化
─言友会における予備的調査─
酒井 奈緒美小倉(青木) 淳森 浩一Chu Shin Ying坂田 善政
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 56 巻 1 号 p. 1-11

詳細
抄録

吃音のある成人が抱える困難を,WHOの国際生活機能分類のモデルに基づき4つのセクションから包括的に評価する質問紙(Overall Assessment of the Speaker's Experience of Stuttering: OASES; Yaruss and Quesal, 2006)を日本語に訳し(日本語版OASES試案),吃音のセルフヘルプグループの活動に参加している成人30名に対して実施した.対象者の傾向として,①吃音に対する感情・行動・認知面に比較的大きな困難を感じる者が多い,②日常生活上の具体的なコミュニケーション場面における困難や生活の質の低下などは比較的小さい,③総合の重症度評定は軽度から中等度であることが示された.OASES自体に関しては,項目数の多さ,選択肢の表現や質問意図のわかりづらさなど,臨床場面にて使用するには問題となる点も認められたが,セクション間における平均得点の相違や,セクション間における平均得点の相関の高さが先行研究と一致し,海外と共通の尺度として有用であることが示された.

著者関連情報
© 2015 日本音声言語医学会
次の記事
feedback
Top