音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
Print ISSN : 0030-2813
原著
中国語の読み習得の背景となる認知能力
─台湾の小学三年生を対象として─
林 千渝宇野 彰
著者情報
キーワード: 中国語, 認知能力, 音読, 台湾, 注音
ジャーナル フリー

2015 年 56 巻 1 号 p. 37-42

詳細
抄録

本研究では台湾の小学三年生103名を対象とし,これまで報告されてきた文字習得にかかわるとされる音韻認識能力,視覚認知能力,自動化能力,語彙力のなかで,台湾の中国語話者児童においてどの認知能力が中国語漢字の音読力に関与するのかを明らかにすることを目的とした.さらに,台湾で用いられている注音の構造から,音節と音素の2種類に分けた音韻認識能力の検査を用い,音読発達にかかわる影響を検討した.その結果,視覚認知課題と自動化課題の成績が漢字一文字音読成績を予測していた.中国語漢字は形態的変化によって意味や読み方が異なる文字であるため,視覚認知能力の貢献度が高かったのではないかと考えられた.また,台湾児童は,音読の際,音素や音節の単位よりも,sub-syllabic unitであるonsetやrimeを認識し,操作している可能性が考えられた.

著者関連情報
© 2015 日本音声言語医学会
前の記事
feedback
Top