音声言語医学
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総説
小児機能性難聴の心理的臨床像と支援
─臨床心理士の立場より─
芦谷 道子
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2015 年 56 巻 2 号 p. 148-153

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抄録

機能性難聴(FHL:functional hearing loss)とは,器質的異常を伴わない難聴の病態を指し,詐聴と心因性難聴の2つの病態が含まれる.小児FHLはほとんどが心因性難聴であると捉えられており,特に心理面での見立てや支援が必要となる.当院では耳鼻咽喉科医師と臨床心理士が小児FHLに対しチーム治療を行い,心身面からのアプローチを研究的に試みている.本論では小児FHLの心理的臨床像に関するこれまでの知見を概観し,2000年4月~2014年8月の期間に対象となった自験例126例について統計的に報告した.また小児FHLを心理的側面より「聴覚的不注意群」「抑圧転換群」「過剰適応群」の3群に分類し,事例と併せて心理的支援について論じた.

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© 2015 日本音声言語医学会
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