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音声言語医学
Vol. 56 (2015) No. 2 p. 186-191

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http://doi.org/10.5112/jjlp.56.186

症例

近年の周産期医学の発展に伴い気管切開児は増加傾向にあり,その施術年齢は低年齢化し,長期的な気管切開管理が必要なケースも増加している.これまで長期気管切開児には身振り,AACなど代用機器の利用,文字言語の習得訓練などが主に行われており,積極的な音声言語獲得に向けての訓練はいまだ報告が少ない.また,これらの症例のなかには吸着音による口腔囁語が出現することがあり,これが異常構音として定着するとその後の気流動態が整った時点での正常な構音操作獲得の妨げになることが臨床上経験される.そこで今回,長期気管切開が推測された症例2例に対して,乳幼児期より電気式人工喉頭を導入し,吸着音による口腔囁語の定着を予防しながら音声言語の獲得につなげる目的で訓練を行った.電気式人工喉頭で獲得された母音は発声の気流動態が整った時点で音声言語へ移行しうることが示唆され,代償的な電気式人工喉頭の使用が構音発達の起点となることが期待された.

Copyright © 2015 日本音声言語医学会

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