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音声言語医学
Vol. 56 (2015) No. 4 p. 335-341

記事言語:

http://doi.org/10.5112/jjlp.56.335

原著

制限時間それぞれ60秒以内に,動物,野菜(普通名詞),会社,有名人(固有名詞),人がすること(動詞)の単語表出を求める言語流暢性(VF)課題を,失語症者32名に実施し,李ら(2013)の健常若年群および健常高齢群の成績と比較した.その結果,失語群の正反応数は健常の2群に比べて有意に少なく,品詞別では,健常の2群と同様に普通名詞に比べ固有名詞と動詞で有意に少なかった.普通名詞課題の正反応数とSLTA「呼称」の正答数との相関関係は中等度で,動詞課題とSLTA「動作説明」との関連は認められず,失語の評価においてVF課題を命名課題で代用することはできないと論じた.また,正反応数を15秒ごとの4区間で分けると,特に動物課題と野菜課題において,健常の2群ではおおむね一貫して数が減少したのに対し,失語群では第2区間から第4区間における数の減少は明らかでなかった.失語症者では語彙の回収に時間が掛かるための現象であると考えた.

Copyright © 2015 日本音声言語医学会

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