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音声言語医学
Vol. 57 (2016) No. 1 p. 18-26

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http://doi.org/10.5112/jjlp.57.18

原著

当センター「成人吃音相談外来」の1年間の新規患者43名中,合併症のない27名に対し,吃音の困難を包括的に評価する質問紙OASES(Overall Assessment of Speaker’s Experience of Stuttering: Yaruss and Quesal, 2006)の日本語版試案を実施した.4セクションからなるOASESの重症度は,セクション3(日常のコミュニケーション)が「中等度」である以外は「中等/重度」と困難が高く,既報告の吃音自助団体参加者のデータと比較してその差は有意であった.患者群は,全セクションで困難度が「中等/重度」の高困難群と,セクション1(全般的情報)が「中等/重度」である以外は「中等度」で困難度が相対的に低い中等度困難群に分類された.言語聴覚士(ST)の評価(発話重症度と心理重症度)は,それぞれセクション3とセクション4(生活の質)のインパクト得点と,また各セクションの一部の項目と有意に相関していた.OASESが,STの評価からは浮かび上がらない吃音の困難を把握し,臨床的介入の観点を提供しうることが示唆された.

Copyright © 2016 日本音声言語医学会

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