J-STAGE トップ  >  資料トップ  > 書誌事項

音声言語医学
Vol. 57 (2016) No. 2 p. 193-200

記事言語:

http://doi.org/10.5112/jjlp.57.193

総説

声帯手術後の創傷治癒の過程にvoice restは必須とされ経験的に7日間とされているが,文献によりその期間や制限項目は一定しておらず,音声治療手技も確立されていない.整形外科領域では術後早期からの機械的刺激が望ましい創傷治癒をもたらすと考えられている.近年,喉頭領域においても創傷治癒に何らかの機械的刺激が影響し,声帯の創傷治癒過程を促す動物実験が報告され,in vitro実験では声帯線維芽細胞への機械的刺激により細胞外マトリックス構成タンパク等の遺伝子産物が有意に増加することが示された.このように声帯の創傷治癒過程における機械的刺激(音声負荷)の重要性が示されつつあるが,どのような刺激や量で変化するか十分に解明されていない.これはvoice rest期間とも同期することであり,創傷治癒のメカニズムに即した,さらなる基礎研究およびその研究結果を踏まえた臨床研究の必要性が考えられる.

Copyright © 2016 日本音声言語医学会

この記事を共有