J-STAGE トップ  >  資料トップ  > 書誌事項

音声言語医学
Vol. 57 (2016) No. 3 p. 272-279

記事言語:

http://doi.org/10.5112/jjlp.57.272

原著

本研究では,成人吃音者21名と非吃音者15名を対象に,ワーキングメモリ(WM)の容量を測定する課題とシャドーイングによる発話実験を行った.読みにかかわるWM容量をリーディングスパンテスト(RST)で測定した結果,吃音者群の平均得点が非吃音者群より有意に低かった.シャドーイング課題では,追唱潜時(モデル音声の文節開始から被験者が同じ文節を発話開始するまでの時間)を測定したところ,吃音者群のほうが非吃音者群より有意に短かった.RSTの得点と追唱潜時の関係については,吃音者群で有意な正の相関が見られたが,非吃音者群では有意な負の相関が認められた.RSTで測定したWM容量と追唱潜時の関係から,吃音者と非吃音者では,音読時のWMの割当て方やシャドーイング課題の処理方略が異なることが示唆された.

Copyright © 2016 日本音声言語医学会

この記事を共有