音声言語医学
症例
視覚性の記憶障害が原因で漢字単語書取に障害を示したと思われる軽度難聴児童の1例
三盃 亜美宇野 彰
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57 巻 (2016) 4 号 p. 404-409

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抄録

全般的知的機能と言語発達に遅れはないが,漢字単語の書取に障害を示した,注意欠如・多動性障害を併存する軽度難聴の女児(小学4年)を経験したので報告する.速読課題に加えて,小学生の読み書きスクリーニング検査(STRAW)におけるひらがな,カタカナ単語の音読と書取,漢字単語音読で標準範囲内の成績だった.一方,STRAW漢字単語書取課題で典型発達児平均−1.5 SDよりも低い成績だったことから,漢字単語の書取に障害を呈していた.音韻能力,視知覚,自動化能力を評価する課題すべてで標準範囲内の成績だった一方,視覚性の記憶力を評価するRey-Osterrieth Complex Figure Testの遅延再生課題で典型発達児平均−1.5 SDよりも低い得点だった.先行研究で報告されている漢字単語書取に障害を示した健聴例同様に視覚性の記憶障害が原因で漢字単語書取の障害を呈していた可能性が考えられた.

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© 2016 日本音声言語医学会
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