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音声言語医学
Vol. 58 (2017) No. 1 p. 1-5

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http://doi.org/10.5112/jjlp.58.1

原著

片側声帯麻痺の原因は,頸胸部の疾患によるものが多く,挿管によるものも含めると術後性の麻痺が約50%程度といわれており,今後も増加する可能性が推察される.したがって,麻痺の発症に伴う音声障害に対する治療は,保存的な治療を含めて音声外科的治療の大きな役割といえる.本稿では声帯内注入療法の一つである声帯内自家脂肪注入術の術後音声改善度に影響する因子および音声治療から音声改善手術への移行時期について検討した.
結果,60歳未満の症例に比較して,60歳以上の比較的高齢な例では,注入前の最長発声持続時間が短縮している例が多く,術後の音声改善度に影響していた.また,音声治療のみでは音声改善治療が完遂できず外科的な治療を要した例でも,年齢による影響が認められた.
すなわち,声帯内自家脂肪注入術は,皮膚切開が不要で,合併症が少ないので,比較的高齢で,QOLの低下している例に対しては,待機期間をおかず,初期治療として早期に行ってよいのではないかと考えられた.

Copyright © 2017 日本音声言語医学会

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