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音声言語医学
Vol. 58 (2017) No. 1 p. 15-21

記事言語:

http://doi.org/10.5112/jjlp.58.15

原著

発達性読み書き障害の障害仮説として英語圏では主に音韻障害仮説が有力である.一方,SLI(Specific Language Impairment)も音韻障害,特に音韻短期記憶の弱さが原因の一つと考えられている.しかし,両者の音韻障害の違いについてはいまだ明確になっていない.そこで,本研究では,通常学級に通う小学生519名を対象に読み書きや言語発達に関連する課題を実施した.そして,読み書き低得点児は発達性読み書き障害児,語彙力低得点児はSLI児に対応する児童と想定し,両者の音韻障害の違いを明確化することを目的とした.その結果,読み書き低得点群の音韻障害は音韻表象の弱さが,語彙力低得点群では音韻短期記憶の弱さが原因ではないかと考えられた.しかし,読み書き低得点群の38名中22名と語彙力低得点群の16名中9名では音韻障害を認められなかったことから,両群は異型な集団と思われた.

Copyright © 2017 日本音声言語医学会

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