音声言語医学
症例
仮名のみに読み書き障害を呈した後天性脳損傷小児例
藤吉 昭江宇野 彰豊島 義哉福島 邦博
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58 巻 (2017) 1 号 p. 22-28

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抄録

1歳時にモヤモヤ病を発症した右利き男児において,7歳時の検査にてひらがなとカタカナの読み書き障害および視覚記憶障害と音韻認識障害が認められることが判明した.本症例と失語症を伴う後天性失読失書小児例と先天性と考えられる発達性読み書き障害報告例との比較を行った.その結果,本症例では視覚性記憶障害が合併した点が失語症を伴う後天性失読失書小児例での既報告例と異なっていると思われた.一方,発達性読み書き障害では,ひらがな,カタカナの音読が障害されると漢字音読も障害される.しかし,本症例では,ひらがな,カタカナの音読は障害されていたものの,漢字音読は正常であった点が相違点であると思われた.ひらがな,カタカナの音読の障害の背景として,本症例の視覚記憶障害と音韻認識障害が関連していた可能性が考えられた.

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© 2017 日本音声言語医学会
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