音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
Print ISSN : 0030-2813
原著
自閉症スペクトラム児のフィクショナルナラティブにおける発話特徴
夏目 知奈廣田 栄子
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58 巻 (2017) 2 号 p. 159-170

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抄録

知的発達遅滞のない自閉症スペクトラム(ASD)児(5~7歳)を対象に,フィクショナルナラティブにおける発話特徴(言語形式と語用)を検討し,対照群(定型発達児5~6歳児10名)の発話と比較した.4枚の系列図版(Baron-Cohenら,1986:一部改変)で系列特性3種(機械的:因果関係,行動的:行動系列,心理的:心理的描写)各4話計12話を作成し,成人10例の発話で設定した基準に基づいて評価した.その結果,ASD児の言語形式では,発話量や文長,語彙(自立語数・異なり語数)に差はなかったが,助詞の誤用が多く(p<.01),統語の課題を認めた.語用では,ASD児は基準ストーリーunitが少なく,また無関連unitが多いことから,逸脱度が高いことを示した.ASD児のナラティブ産生については,系統的な言語指導とともに,日常的に社会的関係に基づいて語用の理解を促すことの必要性が示唆された.

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© 2017 日本音声言語医学会
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