音声言語医学
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症例
Werner症候群と診断された声帯萎縮症例
谷 亜希子川瀬 友貴多田 靖宏
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58 巻 (2017) 3 号 p. 260-264

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抄録

Werner症候群は遺伝性の早老性疾患で,早老性外観,白内障,皮膚の萎縮・硬化などに加え,音声障害も診断項目の一つである.今回,声帯萎縮と診断した患者が,遺伝子検査を行いWerner症候群と診断された.
42歳女性.30年来の嗄声を主訴に受診した.粗糙性,気息性が強く,両声帯は瘢痕様で発声時の声門間隙を認めた.声帯萎縮と診断し保存的治療は効果が乏しく外科的治療は希望がなかった.皮膚の硬化や手指の拘縮に対し精査が行われ,遺伝子検査の結果,診断にいたった.
Werner症候群では音声障害は80%の患者で自覚するといわれている.声帯萎縮に準じて治療されることが多いが確立した治療法はない.代謝異常や悪性疾患の合併もあり,音声障害についての積極的な治療の介入は難しいことが多いが,患者の希望に対応していくことが必要である.若年性の声帯萎縮症例ではWerner症候群の存在を念頭におき診断・治療を行う必要がある.

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© 2017 日本音声言語医学会
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