音声言語医学
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Print ISSN : 0030-2813
症例
気管支喘息に続発したvocal cord dysfunctionの1例
香田 千絵子千年 俊一梅野 博仁濱川 幸世
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59 巻 (2018) 1 号 p. 22-26

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抄録

vocal cord dysfunction(VCD)とは,吸気位相において開大するはずの声帯が奇異的に内転してしまう現象である.今回,気管支喘息に続発したVCD症例を経験したので報告する.
症例は15歳男性である.当科を受診する16日前から咳嗽,鼻漏があり,近医内科で受けた内服・吸入加療でいったん症状は軽快した.再度,咳嗽の出現に対して同様の加療を行ったが症状は完治せず,さらに吸気性喘鳴と日中の呼吸苦が出現したため精査目的で当科を紹介された.初診時の喉頭所見で安静吸気時の声帯内転運動を認め,同時に喘鳴を聴取した.器質的異常のないことから非器質的VCDと診断した.診断日から喉頭リラクセーション法を用いた治療を開始した.治療開始後1週間で安静吸気時の声帯運動は回復し,症状は消失した.非器質的VCDの早期鑑別と喉頭リラクセーション法の介入は病悩期間を短縮する可能性がある.

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© 2018 日本音声言語医学会
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