音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
Print ISSN : 0030-2813
原著
痙攣性発声障害例に対する甲状軟骨形成術Ⅱ型による音声変化の特徴について
許斐 氏元渡嘉敷 亮二野本 剛輝
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ジャーナル 認証あり

2018 年 59 巻 2 号 p. 141-149

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抄録

目的:甲状軟骨形成術Ⅱ型(TP2)を行った内転型痙攣性発声障害(AdSD)例の手術効果や,チタンブリッジ(Tb)の大きさと前交連の処置による音声変化を考察する.
対象と方法:東京医科大学病院においてTP2を施行したAdSDの女性28例が対象で,術前後のVHI-10やMPT,声域,声の詰まり(S)・途切れ(I)・震え(T)を検討した.
結果:VHI-10は術前平均28.3から術後13.9点に,SとIとTの合計点(Total-SIT)は術前平均3.2から1.1に有意に改善し,術前後のVHI-10とTotal-SITは有意相関した.MPTは分散が減少し,生理的なMPTに収束した.Tbの大きさは術後のSやTと有意な相関が見られ,術前の症状とは相関がなかった.声域の変化には傾向がなく,前交連の処理に問題を疑う1例で音声悪化が見られた.
まとめ:AdSDにTP2は有用だが,重症で震えが強い例では,大きいTbを使用してもTotal-SITの改善が不十分な例を認めた.

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© 2018 日本音声言語医学会
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