音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
Print ISSN : 0030-2813
原著
特別支援学校における聴力検査の検討
伊藤 美幸佐藤 公美髙原 由衣竹山 孝明池田 美穂青木 俊仁坂本 幸吉田 充嬉田上 真希岡田 規秀笠井 新一郎長嶋 比奈美宇高 二良
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2018 年 59 巻 2 号 p. 150-157

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抄録

学校保健安全法では,児童生徒の聴力検査についてオージオメータを用いて左右別に測定するように規定している.しかし,さまざま障害をもつ特別支援学校在籍児では,本人の応答を必要とする心理検査であるオージオメータによる検査は必ずしも容易ではない.今回,A県下9校の特別支援学校の在籍児における難聴に関する正確な実態把握を行うとともに,医療と連携した指導や支援の充実に資するため聴力検査の専門職である言語聴覚士が乳幼児聴力検査などの方法を駆使して在籍児の聴力測定を実施し,学校保健法に基づく従来の聴力検査の結果と比較した.その結果,従来の聴力検査では,21%の児が測定困難となったが,言語聴覚士による聴力検査では聴力閾値の測定が困難であったのは2%であった.さらに,言語聴覚士による聴力検査を受けた児童生徒のうち18%が要精査であった.種々の障害に難聴が加わるとさらにコミュニケーションや言語発達に支障をきたすため,特別支援学校における学校健診の聴力検査には,専門職による検査の普及が望まれる.

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© 2018 日本音声言語医学会
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