音声言語医学
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症例
0歳代の早期に難聴が発見されることによる親の抱える問題
木村 聖子能登谷 晶子諏訪 美幸山田 和宏
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2018 年 59 巻 3 号 p. 245-250

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抄録

新生児聴覚スクリーニング等でわが子が難聴と診断された後の課題として,親の障害受容に対する支援が重要になる.今回,0歳代の早期に難聴が発見されたことによる親の抱える問題について,3例(親は2事例)の経過を示し,STの立場からの親の支援について報告する.症例1,2はきょうだいである.きょうだいともに難聴と判明したとき,親は動揺したが,早期からのSTによるサポートと,従来からわれわれが行ってきた患者会との交流,周囲の援助も厚く,親から子への積極的関わりが可能となり,児の言語獲得は順調に進んだ.症例3は前2例と同じ支援内容では当初障害受容が十分ではなく家庭での訓練が進まなかったが,家庭で一定した関わりをもてるようになってから,児の理解語彙数は増加した.早期の難聴の診断によって親は大きく動揺し,既報告で指摘されていることが確認された.障害をもつ児を受容する親への支援には,多面的にかつきめ細かい指導と,STは早期から家族関係の良否にも目を向ける必要があると考えた.

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© 2018 日本音声言語医学会
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