音声言語医学
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症例
無舌症児の構音獲得に関する一考察
住友 亜佐子阪本 浩一波多野 博顕田中 義之大津 雅秀
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2018 年 59 巻 3 号 p. 251-259

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抄録

無舌症はきわめてまれな疾患であり,本邦での報告は渉猟した限りでは10例に満たない.また,就学以降の無舌症児の構音状態に関する報告はなされているが,出生時から構音獲得までのコミュニケーション支援を含めた過程を報告したものはない.今回われわれは無舌で出生し気管切開を余儀なくされた児の構音獲得について出生直後から医師,言語聴覚士(Speech-Language-Hearing-Therapist: ST)のチームで現在まで継続的に経過を追い,X線透視による構音動態,母音のフォルマント分析を行う機会を得た.3歳10ヵ月までの経過と介入について報告し,無舌症児の構音獲得過程,構音動態および気管切開の影響について考察した.

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© 2018 日本音声言語医学会
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