音声言語医学
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原著
声帯萎縮に対するVocal Function Exercise(VFE)の効果に関する研究
間藤 翔悟宮本 真渡邉 格林 良幸石井 翼中川 秀樹齋藤 康一郎
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2018 年 59 巻 4 号 p. 311-317

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抄録

声帯萎縮に対してVocal Function Exercise(VFE)を用いた音声治療の効果とその効果に影響する因子を検討した.対象は2016年7月〜2017年11月に杏林大学医学部付属病院音声専門外来にて声帯萎縮と診断され,音声治療を完遂した30症例で,年齢は男性73.2±3.58歳,女性76±8.35歳であった.音声治療は声の衛生指導とVFEを8週間実施した.VFEの前後で音声治療の効果を解析し,音声改善の項目数と各個人の背景因子との関連を検討した.音声治療の前後で声門閉鎖,Gスコア,MPT,Shimmer,VHIは有意に改善し,改善項目数と年齢および病悩期間の間にはそれぞれ有意な負の相関関係を認めた.本研究は呼吸器・循環器疾患といったさまざまな既往や過去の喫煙歴を有している症例を含めて検討したが,訓練期間中の全身状態が安定しており,継続的な音声治療が実施可能な身体状態であれば,VFEによって音声改善が期待できる可能性が示唆された.さらに,年齢と病悩期間がVFEの効果に影響する因子と考えられた.

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© 2018 日本音声言語医学会
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